<質問>
私は現在75才です。
まだまだ自分では元気だと思っているのですが、今後のことを考えて遺言書を作っておきたいと考えています。
誰にどの財産を相続させるのかはもう大体決めてあります。
妻や息子たちにもあらかじめ話をしてあり、皆了解してくれています。
その他にも、「葬儀は質素にしてほしい」、「臓器を提供したい」等を盛り込みたいですし、家族へのメッセージを残しておきたいと思っています。
遺言の書き方は法律で決められた通りにしておかなければならいそうですので、こういったことを入れてしまうと、遺言が無効になってしまうのではないかと心配です。
無効にならないとしても、どのように記載しておけばよいのでしょうか?
<回答>
遺言書に記載して効力が生じる事項(遺言事項)は法律で決められています。
ですので、何を書いても効力が出てくるというわけではありません。
遺言事項は主に以下のものです。
・相続に関すること(相続分や、財産分割方法の指定等)
・財産の処分に関すること(遺贈等)
・身分に関すること(子供の認知等)
遺言事項以外のことを、遺言に記載したとしても、遺言自体が無効になるわけではありません。
遺言事項以外の、遺言を遺した動機、家族への希望やメッセージなどのことを付言事項と呼んでいます。
ただ、付言事項を実行する・しないは、残された遺族の判断によりますので、確実に実行してもらえるかどうかは残念ながら分かりません。
付言事項の例
・葬式の方法、埋葬の方法(例、○○へ散骨してほしい)
・臓器の提供
・残された家族やペットの面倒を見てほしい
・家族へのメッセージ(例、家族仲良く幸せになってほしい)
実行してくれる保証はありませんが、盛り込んでおけば、遺族が意向を汲んで実行してくれる可能性はあります。
気掛かりなこと、こうして欲しいこと等があれば、遺言書に付言事項として記載しておくのが良いでしょう。
残された家族が、なぜ遺言者がこのような遺言を残したのかを理解する手助けとなり、円満な相続に役立つことも考えられます。
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