山口様の公正証書遺言作成(遺贈)


これから司法書士に相談に行かれる方のご参考になるよう、当事務所で扱った事例をご紹介させていただいております。

これから司法書士事務所に相談しようかと考えている方に向けて、一例として実際どのように手続きが進むのか参考に見ていただければと思います。


公正証書遺言は、公証人が遺言を作成しますので、方式や法的な不備を回避することができます。

また、作成後も、遺言書の原本が公証役場に保存されるので、非常に安全性が高く安心です。

さらに、遺言者の死後、自筆証書遺言と異なり、家族などが家庭裁判所で遺言書の検認を受ける必要もないという点でも優れています。


【公正証書遺言を作成した事例】

<依頼者>

山口様(仮名) 50代男性 会社員 神奈川県茅ヶ崎市在住


<依頼内容>

山口様(仮名)は、結婚歴はなく、ずっと独身で生活してこられました。当然お子さまもいらっしゃいません。既にご両親は亡くなっており、ご兄弟は弟様が一人いらっしゃるとのことです。

長年内縁の妻として清水様(50代女性、仮名)と同居して夫婦同然の生活を送ってこられたとのことで、将来自分が亡くなった時には、財産を清水様に遺贈されたいとのことでした。

この様な場合、清水様は相続人にはなりませんので、遺言を作っておかないと、ご本人が亡くなった後清水様に財産を遺してあげることはできなくなります。


<当事務所にご相談、ご依頼いただいたきっかけ>

公正証書遺言をお作りになりたいとお考えでしたが、書類の収集や文案の作成を自分でやるのは心配だったので、専門家に頼もうと思われたそうです。そこで、近くの司法書士をインターネットで探されたところ、当事務所のホームページを見つけてお問い合わせくださったとのことでした。


<依頼の経過>

平成27年5月 当事務所で遺言内容の相談

山口様(仮名)及び清水様(仮名)が当事務所にお越しいただき、家族構成、財産内容、遺言内容等について打ち合わせしました。

遺言作成に必要な資料(戸籍謄本、住民票、不動産登記簿謄本、評価証明等)は当事務所で取得してほしいとのことでしたので、委任状をいただき当事務所で取得代行しました。


平成27年5月 文案の確認

当事務所で作成した文案を山口様(仮名)及び清水様(仮名)に確認していただきました。

このままの内容で良いとのことでしたので、公証役場に遺言作成の日時の予約をしました。

この時点であれば何度でも遺言の変更、内容の追加等可能ですので、心配な点がありましたら何度でもご相談ください。


当事務所より公証役場に遺言の文案及び必要書類を提出して、公証人と内容や手続きの打ち合わせをしました。

公証人より遺言の文案が届き(内容は当事務所で作成したものとほぼ同じです)、山口様(仮名)及び清水様(仮名)にご確認いただきました。


平成27年6月 公証役場

予約した日時に山口様(仮名)と一緒に公証役場に行き、公証人、山口様(仮名)、証人2人で遺言の作成を行いました。

公証人が遺言を読み上げ、全員で内容を確認し、署名・押印し公正証書遺言の作成が完了しました。

公証人から公正証書遺言の正本と謄本が交付されました。

公証人からは、公証役場で遺言者が120才になるまで遺言書の原本が保管されるので、万一紛失しても再発行が可能なことが説明されました。


<作成した公正証書遺言>

平成27年第   号

遺言公正証書(案)


本職は、遺言者山口○○の嘱託により、証人○○○○、同○○○○立会の下に、次の遺言の趣旨の口授を筆記し、この証書を作成する。


1 遺言者は、遺言者の有する下記の不動産を、内縁の妻である清水○○(神奈川県茅ヶ崎市○○○丁目○番○号、昭和○○年○○月○○日生)に遺贈する。


所  在 神奈川県茅ヶ崎市○○○丁目

地  番 ○○番○○

地  目 宅地

地  積 ○○.○○㎡


所  在 神奈川県茅ヶ崎市○○○丁目○○番地○○

家屋番号 ○○番○○

種  類 居宅

構  造 木造スレート葺2階建

床面積 1階 ○○.○○㎡

2階 ○○.○○㎡


2 遺言者は、遺言者の有する下記の預貯金、信託、株式、債券等の全ての金融資産を、内縁の妻である清水○○に遺贈する。


 ①○○銀行○○支店の普通預金 口座番号○○○○○○○

 ②○○銀行○○支店の普通預金 口座番号○○○○○○○

 ③○○銀行○○支店の普通預金 口座番号○○○○○○○

 ④上記以外の遺言者の金融資産全て


3 1項、2項に記載した以外の遺言者の有する一切の財産を、内縁の妻である清水○○に遺贈する。


4 遺言者は、遺言者が将来、前記清水○○と婚姻した場合、遺言者の有する一切の財産を、同人に相続させる。


5 遺言者は、本遺言の遺言執行者として、遺言者の内縁の妻清水○○を指定する。


6 遺言者が将来、前記清水○○と婚姻した場合、遺言者は、本遺言の遺言執行者として、同人を指定する。


7 遺言執行者は、遺言の執行を第三者に委任することができる。

以上


以下の本旨外要件は省略