少し前ですが、月報司法書士1月号に「相続登記漏れ物件と遺産分割協議書」という記事があり、遺産分割協議書を作成する際に物件を漏らさず記載するにはどの様なことに気を付けたらよいかということが書いてありました。
1、評価証明書だけでなく「名寄せ」も取り寄せて確認する
2、1、でも不十分なこともあるので、事案によっては、依頼者に確認を取ったうえで、遺産分割協議書に、例えば「上記不動産以外の不動産全部」あるいは「上記以外の財産全部」といった具合に一行付記しておく
と説明されていました。
相続登記の際に、物件を漏らさず確認するというのは、物件がマンションの一室や、綺麗に区画された新興住宅地などでは分かり易いので比較的簡単です。
しかし、田舎の物件や地主などで自宅以外にもたくさん不動産を持っている場合などは、漏らさず確認しなければなりません。
上記の方法以外で私が気を付けていることは、
・ご相談にお越し頂く際には、不動産に関する資料をできるだけたくさん持ってきて頂く
物件を確認するために、固定資産税の納税通知書以外にも、古い権利証や、公図等の図面、過去の相続の時の資料等を確認し、他に物件がないかを探すようにしています。
・調査のために登記簿謄本を取るときは、共同担保目録付きにする
担保がない場合は意味がありますが、共担付にすることで共有の道路等を確認できる事
があります。
・相談時に地図(公図等)やグーグルマップ等で確認し、公道に接しているか、
接していない場合はどこを通って公道に出るのか等を依頼者の方に確認する。
・未登記の建物を確認するため、敷地に何棟建物があるのか、物置や車庫がある場合は大体の床面積や築年数、構造を教えて頂く
未登記の物置等の場合、依頼者に登記はしなくてよいと言われたとしても、遺産分割協議書に載せる必要があるためうかがっています。
・小さな土地や、細長い土地を漏らしてしまことを防ぐため、公図を見ながら所有地と接している近隣の土地の所有者をインターネット謄本を取って確認する
と事案によって多少変えることもありますが、以上のような感じで確認しています。
先日ご依頼いただいた他県の物件の相続登記は、本地と居宅は15年前に被相続人名義に相続登記をされていたのですが、公衆用道路(持分1/4、1/5等)は、被相続人名義に相続登記されていませんでした。
おそらく固定資産税の納税通知書で物件を確認したため、非課税だった道路を手続きから漏らしてしまったのだと思われます。
幸い、依頼者の方が15年前の相続登記の際の資料もお持ちで、「全財産を妻○○に譲ります」という自筆証書遺言(家庭裁判所の検認済証明書付)がありましたので、それを使い、数次相続(遺言による相続と遺産分割協議による相続)で無事に相続登記が出来たので良かったです。
ご自分で相続登記をなさる方もいらっしゃいますが、漏れなく確実にするために、あるいは後々の手続の面倒さを回避するために、難しそうな場合は司法書士に依頼して頂いた方が良いと思います。
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